矯正治療を始める前に精密検査、口腔衛生指導を行い、むし歯や歯肉の病気があればその手当てをいたします。
精密検査は、歯の型、顎および歯全部のレントゲン写真、顔のレントゲン写真、口や顔の写真などをとってよく調べることです。
悪い歯並び、かみ合わせは遺伝によることもありますし、むし歯が大きな原因になることもあります。また指しゃぶりなどの悪い習慣によっても起こります。診 断をして治療方針を決める時に、これらの有無が非常に参考になりますから調査表でいろいろとお尋ねいたします。
これらの結果を分析、診断して、矯正治療の進め方、治療に要する大体の期間などについてお話いたします。
口腔衛生指導は、矯正治療をうけるために必要な正しい歯みがきの方法についての指導です。
矯正治療の進め方は、患者さんの来院時期と、不正咬合の程度や状態によって違ってきます。

診断結果の説明後、永久歯咬合の矯正治療をすぐに開始することもあります。また不正咬合の治療が手遅れとならないように、すでにかみ合わせに不正のみられ る部分や、顎骨の成長を正しくする治療をまず行ったのち、しばらく歯の生え代わりなどを定期的に診査し、その後永久歯咬合の矯正治療を行うという2段がま えの進め方が、より望ましい場合があります。
従って、矯正治療の期間も方法も一人一人違ってきます。治療に使われる装置は、患者さんの状態によっていろい ろですし、歯の大きさと顎の大きさの調和がとれていないときには永久歯の数を減らすことによって、より良いかみ合わせをつくる場合もあります。
永久歯咬合の矯正治療が実際に始まると、患者さんは月に一度くらいの割合で通院し、処置を受けなければなりません。そして永久歯咬合の治療が終わってから も、後戻りを防ぐために、またアフターケアのために年2~3回通院していただく保定期間が必要です。 |